ボーカル教室で行われるレッスン内容とは・・・

歌を上手に歌える人を育てるのがボーカル教室の本質であり、そのためのレッスンを多数取り揃えていますが、どのような授業を行っているのでしょうか。 喉自慢大会でヒーローになりたいご老人、プロデビューを夢見ている眉毛の太い青年、声優に憧れる17歳の乙女など様々な生徒さんがいますし、 ボーカルスクールでの授業内容も気になるところでしょう。

どのような理由で入学するにしろ、まずは基本的な発声練習を行います。 正しく腹式呼吸ができるようにならなければ他にどんなレッスンを受けたって上達するのに時間がかかってしまいますし、 上手に歌うためには腹式呼吸をマスターすることが最重要なのでこれからスタートします。 そこそこ歌えてるつもりの方でも腹式呼吸を学んだことのある人はあんまりいないでしょうし、入学した全員がこのレッスンを受けるべきでしょう。 次に応用編として、歌う曲に合わせてどう発声するのがいいか、といったことのレッスンを受けることになります。 具体的に言えば演歌とポップスではボーカリストの表現方法は全く異なりますし、同じように歌ったら例え歌唱力が高いとしてもそう褒められる感じの評価はしてもらえず、 むしろ雰囲気がおかしいと減点されてしまうでしょう。 音楽はジャンルにより歌い方がありますから、自分がマスターしたい方面の音楽に関してのテクニックは、最低限でも習得するべきなのです。 難易度の高そうなオペラをばっちりマスターした、これでどんな歌でも完璧に近いんじゃないかな、と思い込んでしまうのが典型的な悪い例で、 その人が歌うオペラがどんなに素晴らしいものであろうと他のジャンルの曲を歌ったらいまいちだ、なんてこともよくあるのです。 全く異なるとは言いませんし歌うことの基本は出来上がっているので、少しのレッスンで他のジャンルの音楽にも合わせることができるようにはなるでしょうが、 オペラ一筋でレッスンを続けていたら上手な演歌は歌えません。 なのである程度応用編の授業を受けた方が本人の将来のためにもいいでしょう。

スタジオで上手に歌うことが出来るようになったら、次は人前で歌うことを想定したレッスンを受ける流れとなっています。 カラオケボックスであろうと人前で歌う以上、棒立ちでマイクスタンドの前で身じろぎせずにただ歌うのでは面白くありません。 時には天高く拳を突き上げたり、視聴者に向かってウィンクをしたり、そういったパフォーマンスを織り交ぜたほうが盛り上がります。 ボーカル教室では歌うテクニックだけではなく、そうしたパフォーマンスが自然にできるようになるためのレッスンも受けられるのです。 カラオケならそんなに激しい動きはしなくてもいいですしむしろスペースがないので大きな動作はできませんが、 コンサート会場で数千人の前で歌うことを想定している人はこの授業も真面目に受けるべきでしょう。 生徒の中にはすでにライブハウスで数十人の観客を相手に歌った経験を持つ者、現在進行形でバンド活動をしている者もいるでしょうから、 歌唱力アップよりもこちらのパフォーマンス関連に興味を持つ生徒さんもいそうです。 音程がとれていて発声も良好、なにを歌っているのか分かりやすいボーカルでも、ステージ上で仁王立ちしたまま一歩も動かないようでは盛り上がり方もいまいちです。 バラードだけならまだしも、パンクロックやロックンロールの激しい曲でそんな様子ではボーカリストとして失格です。 歌詞を理解して感情をこめてメッセージを送る、そのためのパフォーマンスもボーカル教室で教えてくれる重要なことなのです。

ライブ活動を目標としているのなら、ギター教室でもベース教室でもキーボード教室でもパフォーマンスのレッスンは必須なのではないでしょうか。